虫歯になりやすい「遺伝子」は存在する?最新の研究から|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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虫歯になりやすい「遺伝子」は存在する?最新の研究から

2025/10/03

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虫歯になりやすい「遺伝子」は存在する?最新の研究から

「同じように歯磨きをしているのに、自分だけ虫歯が多い気がする」
「家族そろって歯医者によく通っている」
そんな経験はありませんか。

虫歯は生活習慣や歯磨きの仕方が大きく関わりますが、近年の研究で「遺伝子」も一定の影響を持つことが分かってきました。
つまり、虫歯になりやすさには生まれつきの体質も関わっているのです。

今回は、最新の研究をもとに「虫歯と遺伝の関係」について分かりやすく解説します。

1. 虫歯は本当に遺伝するのか?

結論から言えば、「虫歯そのものが遺伝する」のではありません
遺伝するのは、虫歯になりやすい体質口の環境に関わる要素です。

具体的には、

•歯の質(エナメル質の強さや厚さ)

•唾液の量や成分

•歯の形や並び方
などが遺伝の影響を受けます。

例えば、エナメル質が薄い人歯が酸に溶けやすく、虫歯になりやすい傾向があります。
また、唾液が少ない体質だと口の中の自浄作用が弱くなり、細菌が繁殖しやすくなります。
これらは親から子へと受け継がれることがあるため、「家族で虫歯になりやすい」ケースが生まれるのです。

2. 最新研究が示す「虫歯関連遺伝子」

遺伝子研究の進歩により、「虫歯に関係する可能性がある遺伝子」がいくつか見つかっています。

例えば、

•アメロゲニン遺伝子
エナメル質の形成に関わる遺伝子。変異があるとエナメル質が弱くなり、虫歯リスクが高まります。

•味覚に関する遺伝子
甘味や苦味を感じる受容体の遺伝子に違いがあると、甘いものを好みやすくなる傾向があります。
これは間接的に虫歯リスクを高めます。

•唾液分泌に関わる遺伝子
唾液の成分や量に影響し、虫歯菌に対する抵抗力を左右します。

こうした遺伝子の研究はまだ始まったばかりで、「この遺伝子があるから絶対に虫歯になる」というわけではありません
ただし「なりやすい体質」が存在することは確かであり、科学的に裏付けられつつあります。

3. 遺伝と生活習慣の関係

重要なのは「遺伝で決まる部分」と「生活習慣で変えられる部分」を分けて考えることです。

確かに体質は変えられませんが、毎日のケアや食生活でリスクを大きく減らすことができます。
例えば、エナメル質が弱い人でも、フッ素入り歯磨き剤を使えば歯を強くすることができます。
唾液が少ない人も、唾液腺マッサージやよく噛む習慣で分泌を促すことが可能です。

また、虫歯菌は生まれつき口の中にいるわけではなく、ほとんどが親や家族からの感染です。
つまり、口腔環境は「遺伝」ではなく「生活環境」によっても大きく左右されます。

4. 遺伝的リスクを持つ人が取るべき工夫

もし「家族に虫歯が多い」という場合は、次のような工夫が効果的です。

•定期的な歯科検診
3〜6か月ごとにプロのチェックを受け、初期虫歯を早めに発見する。 

•フッ素の活用 
毎日の歯磨きに加え、歯科医院でのフッ素塗布も有効です。

•食生活の見直し
甘いものをだらだら食べず、時間を決めて摂る。

•唾液を増やす習慣
ガムを噛む、水分をこまめに摂る、鼻呼吸を意識する。

遺伝的な要素があっても、正しいケアを続ければ虫歯ゼロを目指すことは十分に可能です。

まとめ

虫歯は「完全に遺伝する病気」ではありませんが、なりやすい体質や環境は遺伝の影響を受けます。

•エナメル質の強さ、唾液の量、歯の形は遺伝で決まる部分がある

•最新研究では虫歯に関連する遺伝子が複数見つかっている

•体質だけでなく生活習慣が大きく影響する

•定期検診やフッ素活用でリスクを大きく減らせる

「遺伝だから仕方ない」と諦めるのではなく、体質を理解したうえで工夫をすることが大切です。
研究の進歩とともに、私たちが自分の歯を守るための方法もどんどん明らかになってきています。
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まずできることから始めましょう。
プロによる定期検診。
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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