歯周病が「早産」のリスクを高める?妊婦さんが知っておくべきこと
2025/12/17
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歯周病が「早産」のリスクを高める?妊婦さんが知っておくべきこと
妊娠中は体の変化が大きく、食事や睡眠、運動などに気をつける方も多いですよね。
でも実は、「お口の中の健康」も妊娠中の体に深く関係していることをご存じでしょうか。
近年の研究では、歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があることが明らかになってきています。
「歯ぐきの腫れくらい」と軽く見てしまうと、思わぬトラブルにつながることもあるのです。
今回は、なぜ歯周病が妊娠に影響するのか、そして妊婦さんができる対策を分かりやすく解説します。
歯周病とは?妊娠中に悪化しやすい理由
歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまった細菌が炎症を起こし、歯を支える組織を壊していく病気です。
初期段階では歯ぐきの腫れや出血程度ですが、進行すると歯がぐらついたり、最悪の場合は抜けてしまうこともあります。
妊娠中は、女性ホルモン(特にエストロゲンやプロゲステロン)の分泌が増えるため、歯ぐきの毛細血管が拡張しやすくなります。
この状態では、少しの刺激でも歯ぐきが腫れたり出血したりしやすく、「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる症状が現れやすくなります。
また、つわりや食生活の変化によって歯磨きが十分にできないことも、歯周病を悪化させる一因になります。
歯周病が早産や低体重児につながる理由
歯周病が単にお口の中だけの病気ではないといわれるのは、炎症による「サイトカイン」という物質が関係しています。
歯ぐきの炎症が進むと、体は防御反応としてサイトカインという炎症性物質を放出します。
このサイトカインが血流を通じて全身に広がると、子宮の収縮を促したり、胎盤に影響を与えたりする可能性があるのです。
その結果、早産や低体重児出産のリスクが高まると考えられています。
実際に、歯周病がある妊婦さんは、そうでない人に比べて早産のリスクが2〜7倍高いという報告もあります。
これは喫煙や高血圧と同じくらいのリスク要因とされており、妊娠中の歯科ケアの重要性が注目されている理由です。
妊娠中に歯科を受診しても大丈夫?
「妊娠中に歯の治療をしても大丈夫なの?」と不安に感じる方も多いと思いますが、基本的に問題はありません。
妊娠初期(0〜12週)は赤ちゃんの器官が形成される大事な時期のため、緊急性の高い治療を除いては避けることが多いですが、安定期(13〜27週)に入れば、ほとんどの歯科治療が可能です。
また、歯科のレントゲンは防護エプロンを使用すれば被ばく量はごくわずかで、胎児への影響はほとんどありません。
局所麻酔も安全性の高いものが使われており、痛みを我慢するよりも適切な処置を受けた方が安心です。
定期検診やクリーニングも安定期に受けておくことで、出産後のトラブルを減らすことができます。
妊娠中にできる歯周病予防
歯周病を防ぐために大切なのは、日々の口腔ケアを丁寧に続けることです。
以下のポイントを意識するだけでも、リスクを大きく下げることができます。
1.柔らかめの歯ブラシを使う
腫れやすい歯ぐきには、毛先の柔らかい歯ブラシを使って優しく磨きましょう。
特に歯と歯ぐきの境目は細菌がたまりやすい部分です。
2.デンタルフロスや歯間ブラシを活用する
歯ブラシだけでは落としにくい歯の間のプラークを除去できます。
3.つわりの時期は無理をしない
歯磨き粉の味がつらいときは、水磨きやキシリトールガムを活用してもOKです。
4.規則正しい食生活を心がける
間食が増えるとお口の中が酸性に傾き、細菌が繁殖しやすくなります。
5.定期的な歯科検診を受ける
少なくとも妊娠中に1〜2回、専門的なクリーニングを受けるのがおすすめです。
まとめ
歯周病は、お口の中だけでなく、全身の健康や妊娠にも影響を与える病気です。
歯ぐきの炎症によって全身の炎症反応が高まり、早産や低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。
妊娠中は体調の変化で歯磨きが難しい時期もありますが、安定期を中心に歯科検診を受けて、無理のない範囲でケアを続けることが大切です。
お母さんの口の健康は、お腹の赤ちゃんの健康にもつながります。
「つわりが落ち着いたら歯医者さんへ」――これをひとつの目安に、安心して出産を迎えられるように準備しておきましょう。
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辛い時期だと思いますが、お口のことはしっかりとケアをして気をつけてください。
門井歯科医院でした〜









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