保険と自費の被せ物、何が違うの?|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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保険と自費の被せ物、何が違うの?

2025/08/06

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保険と自費の被せ物、何が違うの?

今回は「保険の被せ物と自費の被せ物って、何がどう違うの?」というご質問について、もう少し踏み込んでお話してみようと思います。
なかでも今回は、「それぞれにどんな種類があるのか」をわかりやすくご紹介します。
歯科の材料って、なじみがないと少しややこしいんですが、知っておくときっと役立ちます。

◉保険の被せ物は「最低限の機能を満たすこと」が基準

まずは、保険診療で選べる被せ物についてご紹介します。
保険診療で使える被せ物の材料は、国のルールによって定められています。
保険の治療では、機能を回復することを第一に考えて設計されているため、強度や安定性を重視する一方で、審美性(見た目)や材料の自由度には制限があります。

① 銀歯(※金銀パラジウム合金)

最もよく知られている保険の被せ物です。
特に奥歯に使われることが多く、硬くて壊れにくいため、噛む力が強い場所でも安心して使えます。
ただ、見た目が銀色なので口を開けたときに目立ちやすく、人によっては気になることも。
また、金属アレルギーを起こす可能性がある点にも注意が必要です。

② CAD/CAM冠(白い保険のかぶせ物)

近年、保険でも「白い被せ物」が選べるようになってきました。
レジン(歯科用プラスチック)とセラミックの成分を混ぜた「ハイブリッド型」の材料で、見た目が白いのが特徴です。
ただし、やや不透明でツヤが少なく天然の歯と比べると自然な美しさには欠けます
また、技工士が直接作るのではなく、マシンメイドのため被せ物と被せる歯との間に隙間ができやすいため銀歯などに比べて取れやすいです。

③ 硬質レジン前装冠(前歯用)

前歯の治療で使われることがあるタイプです。
金属の土台の上に白いレジンを盛り付けた構造で、見た目はそこそこ白く仕上がります。
ただし、経年劣化で変色したり、ツヤがなくなってくることがあります。
歯ぐきとの境目が黒ずんでくることもあり、長期的な審美性はやや課題があります。

◉自費で選べる被せ物の種類と特徴

つづいて、自費診療で選べる被せ物をご紹介します。
自費の大きなメリットは、見た目の自然さ精密さ強度清潔性など、あらゆる面で高い品質を追求できることです。
使用する素材や技工の工程にもこだわりがあり、それが治療結果にも表れます。


① オールセラミッククラウン

すべてがセラミックでできた被せ物です。
自然な透明感とツヤがあり、パッと見ただけでは本物の歯と見分けがつかないくらい美しい仕上がりです。
また、表面が非常になめらかなので、プラークがつきにくく、歯ぐきへの刺激も少なくすみます。
前歯の見た目が気になる方に特に人気があります。


② ジルコニアクラウン

ジルコニアは人工ダイヤモンドとしても知られる非常に硬くて丈夫な素材です。
見た目も白くて自然で、奥歯のように力が強くかかる場所でも安心して使えます。
最近ではジルコニアにも透明感が増したタイプが登場していて、前歯にも使えるようになっています。
割れにくく、金属を一切使わないため、金属アレルギーの心配もありません。


③ メタルボンドクラウン(金属+セラミック)

内側が金属、外側がセラミックという構造のクラウンです。
セラミック部分は白く美しい仕上がりになりますが、内側に金属が入っていることで強度が増します。
ただし、歯ぐきが下がると金属のラインが見えることがあり、オールセラミックに比べるとやや審美性に劣る場合があります。
しかし、内側の金属の種類によっても変わってきます。


④ ハイブリッドセラミッククラウン

セラミックとレジンを混ぜた素材で、セラミックよりはやや柔らかく、価格も少し抑えめです。
見た目は白く、ある程度の審美性がありますが、長期的には変色や摩耗の可能性があります。
オールセラミックほどの美しさや耐久性はないものの、コストパフォーマンス重視する方には選ばれることもあります。


⑤ 金歯

金歯の主なメリットは、耐久性が高く長持ちすること金属アレルギーのリスクが低いこと、そして歯に優しく虫歯の再発を防ぎやすいことです。
金は非常に安定した素材で、化学反応を起こしにくく、唾液や水分による劣化が少ないため、長期間使用してもその機能を維持しやすいです。
金は生体親和性が高く、金属アレルギーを引き起こしにくい素材として知られています。
金歯は歯との密着性が高く、隙間ができにくいため、虫歯の原因となる細菌の侵入を防ぎやすいです。
金は柔軟性があり、時間が経つにつれて噛み合わせになじみ、他の歯への負担を軽減します。

材料選びのポイントは「何を大切にしたいか」

保険でも自費でも、それぞれに特徴があります。
たとえば「とにかく費用を抑えたい」「最低限の機能で十分」という場合は保険の被せ物でも問題ありません。
ただし、見た目や耐久性にはやや限界があります。

一方で、「目立たず自然な見た目にしたい」「長く安心して使いたい」「虫歯の再発リスクを減らしたい」といった希望がある場合は、自費の素材を選んだ方が、満足度の高い仕上がりになる可能性が高いです。

どちらが正しい、というよりも、ご自身にとって何を大切にしたいのかによって最適な選択肢は変わってきます。

「この歯にどの材料が合うのか」「本当に自費にする意味があるのか」など、迷われるのは当然のことです。

歯の治療は、ただの修理ではなく、その後の毎日の生活に関わる大切なことです。
どの材料が合っているか、一緒に丁寧に考えていきましょう。
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何を大切にしたいか
これがはっきりしていると人生は豊かになります
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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