ペットのお口のケアも重要!人間と犬・猫の歯の構造の違い|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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ペットのお口のケアも重要!人間と犬・猫の歯の構造の違い

2025/12/23

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ペットのお口のケアも重要!人間と犬・猫の歯の構造の違い

「うちの子、口がちょっと臭う気がする」「歯磨きって本当に必要なの?」
そんなふうに感じたことはありませんか。

実は、犬や猫の歯も人間と同じように“歯垢”や“歯石”がつき、放っておくと歯周病になります
それどころか、ペットの歯周病は進行が早く、全身の健康にまで悪影響を与えることもあるのです。

今回は、犬や猫の歯の特徴を人間と比較しながら、なぜお口のケアが大切なのかを分かりやすく解説します。

人間と犬・猫の歯の本数と役割の違い

まずは、歯の本数を比べてみましょう。
人間の永久歯は32本ですが、犬は42本、猫は30本あります。

人間:前歯、犬歯、臼歯がバランスよく並び、食べ物を「噛み切る」「すりつぶす」役割を持っています。

犬:肉を噛みちぎるための鋭い犬歯が発達しています。臼歯は肉を切るように働き、ほとんど“すりつぶす”動作はしません。

猫:完全な肉食動物で、犬歯が特に鋭く、臼歯も「カチカチ」と上下がハサミのように噛み合う構造になっています。

つまり、人間が“咀嚼”してから飲み込むのに対し、犬や猫は「噛み切ってそのまま飲み込む」傾向が強いのです。

この違いが、歯垢や歯石のつき方、さらには歯の病気のなりやすさにも影響しています。

犬や猫の歯が汚れやすい理由

犬や猫は、人間のように食後に歯磨きをする習慣がありません。
さらに、唾液の性質も人間とは異なります。

人間の唾液にはアミラーゼという酵素が含まれており、食べ物の糖を分解して口の中をきれいに保つ働きがあります。
一方で犬や猫の唾液にはこの酵素がほとんど含まれていません

そのため、食べかすが歯の表面に残りやすく、歯垢がたまりやすいのです。
犬では2〜3日、猫では3〜5日放置すると歯垢が歯石へと変化します。

しかも、一度ついた歯石は歯ブラシでは取れず、動物病院でスケーリング(歯石除去)を行う必要があります。
人間以上にケアを怠れない理由がここにあります。

歯周病が全身の健康に影響するのは動物も同じ

犬や猫の歯周病は、口の中だけの問題ではありません。
細菌が歯ぐきの血管から体内に入り込み、心臓や腎臓、肝臓などに影響を与えることがあります。

特に高齢の犬や猫では、歯周病菌が原因で心内膜炎や腎機能低下を起こすことがあるため注意が必要です。
また、口の痛みから食欲が落ち体重が減って体力が低下する悪循環にもつながります。

「歯に少し食べかすがついているだけ」と思っていたら、実は全身の病気の引き金になっている、、、そんなケースも少なくありません。

また、年齢とともに増える歯のトラブルもあります。
若い頃は歯が白くきれいでも、3歳を過ぎる頃から歯石や歯ぐきの腫れが見られるペットが増えてきます。
特に小型犬や猫は顎が小さく、歯が密集しているため歯石などが溜まりやすい傾向があります。

また、ドライフードを食べていても「噛まずに丸飲み」することが多く、歯の表面のプラークなどを自動的に落とすことはできません。
年齢を重ねるほど、定期的な歯磨きやデンタルケアが欠かせないのです。

ペットの歯を守るためにできること

日常的なケアとして、次のような方法を取り入れてみましょう。

1. 歯磨きを習慣にする
最も効果的なのは、歯ブラシを使った歯磨きです。
最初は嫌がる子も多いので、ガーゼで歯をなでるように拭くところから始め、少しずつ慣らしていくのがコツです。

2. デンタルおやつやガムを活用する
噛むことで歯垢を落とす効果があるおやつやガムもあります。
ただし、カロリーの摂りすぎや誤飲に注意し、サイズや硬さを獣医師と相談して選びましょう。

3. 定期的な歯科検診を受ける
動物病院では、歯石除去や歯周病のチェックを受けられます。
年に1〜2回の検診を目安に、歯の状態を確認してもらうことが大切です。

4. 食後のケアを意識する
ウェットフードを与えている場合は、歯にプラークがつきやすいので、食後に軽く口を拭いてあげるだけでも違います。

人間と同じように、「歯の健康=寿命の長さ」に関わる

最近の研究では、歯周病を防ぐことで寿命が延びるという報告もあります。
犬や猫の健康寿命を延ばすためにも、口腔ケアは欠かせない要素です。

口の中がきれいだと、食事を楽しめるだけでなく、全身の病気を防ぐことにもつながります。
そして何より、痛みや不快感がないことで、ペットの毎日の生活が快適になります。

飼い主が少しずつケアの習慣をつけてあげることが、長く健康に過ごすための“最高のプレゼント”になるのです。

人間と犬・猫では、歯の構造も役割も異なります。
人間は食べ物をすりつぶす「咀嚼型」なのに対し、犬や猫は肉を切り裂いて飲み込む「捕食型」です。
しかし、歯垢・歯石の蓄積や歯周病のリスクは人間と同じか、それ以上に高いのが現実です。
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日常の歯磨きと定期的なケアで、愛犬・愛猫の歯を健康に保つことができます。
口の中の健康は、体全体の健康の入り口。
今日から少しずつ、おうちでできるデンタルケアを始めてみませんか。
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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