「“超音波=最強”は正解か。タイプ別メリットと落とし穴」|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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「“超音波=最強”は正解か。タイプ別メリットと落とし穴」

2025/06/17

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「“超音波=最強”は正解か。タイプ別メリットと落とし穴」

電動歯ブラシの中でも、最近よく耳にするのが「超音波歯ブラシ」。
“振動数がすごい”“歯周病に良いらしい”“ちょっと高級”など、なんとなく「一番すごいのでは?」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに超音波歯ブラシには優れた機能があります。
ですが、“とにかく超音波を選べば正解”という考えには少し注意が必要です。
歯ブラシ選びにおいて大切なのは、『自分の口』や『自分の磨き方』に合っているかどうか。
今回は、電動歯ブラシのタイプ別にメリットと注意点をやさしく解説していきます。

電動歯ブラシには3つのタイプがある

まず、電動歯ブラシは大きく3つのタイプに分かれます。
それぞれの仕組みと特徴を簡単にご紹介します。

1. 回転式(振動+回転)

ブラシのヘッドが丸く、左右にぐるぐる回転するタイプです。
主にプラーク(歯垢)を物理的にこすり落とすのが得意で、特に奥歯の表面や歯と歯の間の磨き残しに強いです。

メリット
・短時間でもある程度の磨き残しが取れる
・歯の表面がツルツルになりやすい

注意点
・力加減が強いと歯や歯茎に負担がかかる
・歯並びが複雑な場合、当たりにくい場所が出てくることも

2. 音波式(高速振動タイプ)

見た目は普通の歯ブラシに近いですが、毎分2〜3万回の細かい振動で、手磨きより効率よく磨き残しを落とせます。
音波の力で水や唾液を動かし、細かい隙間にも効果が届くとされています。

メリット
・やさしい使い心地で、歯茎への刺激が少ない
・初めて電動歯ブラシを使う人にも馴染みやすい

注意点
・歯ブラシの当て方が甘いと、磨き残しが落ちにくいことがある
・効果を実感するまでに少し時間がかかる場合も

3. 超音波式(毎秒100万回以上の微細振動)

音波式よりもはるかに細かい振動を出すタイプで、超音波によって歯垢やバイオフィルム(細菌の膜)を壊す作用があるといわれています。
見た目は音波式に近いですが、内部構造が異なります。

メリット
・歯周病の予防・ケアに向いている
・刺激がほとんどなく、歯や歯茎にとてもやさしい
・ブラシが届きにくいところにも効果が期待できる

注意点
・正しい当て方をしないと効果が十分に発揮されない
・手磨き感覚に近いため、しっかり時間をかける必要がある
・価格が比較的高く、消耗品(替えブラシなど)も高め

超音波は“最強”ではない

超音波歯ブラシにはたしかに魅力があります。
歯周病予防を重視している方や、ブラッシング圧に不安がある方、やさしくケアしたい人には向いています。

でも、“最強”というわけではありません。
例えば、短時間で一気にしっかり磨きたいという人には、回転式の方が満足度が高いこともあります。
細かい操作が苦手な人だと、超音波の「ゆっくり丁寧に」がストレスになるかもしれません。

また、重度の歯石などには、超音波だけでは不十分です。
基本的に歯石に対しては歯ブラシという行為では不十分です。
その場合は、歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要です。


タイプ選びの前に「自分の状態」を知る

では、どうやって自分に合った電動歯ブラシを選べばいいのか?
答えはシンプルで、「自分の口の状態と目的を知る」ことです。

•歯周病や歯茎の出血が気になる → 超音波・音波式
•奥歯に食べカスが溜まりやすい → 回転式
•忙しくて短時間で済ませたい → 回転式(高速タイプ)
•丁寧にケアを続けたい → 音波式や超音波式
•初めて電動歯ブラシを使う → 音波式

どれが“最強”かではなく、「どれが自分に合っているか」を基準にすることで、歯磨きの効果が大きく変わってきます。

何より歯科で相談するのが確実です

もし迷ったら、一度かかりつけの歯科医院で相談してみてください。
実際に口の中を診てもらったうえで、歯並びや歯茎の状態に合ったタイプを教えてもらうのが一番です。
使い方のコツや、やってはいけない磨き方も丁寧に説明してくれます。

まとめ

電動歯ブラシの世界は、思っているより奥が深いです。
“超音波=最強”という思い込みだけで選んでしまうと、期待していた効果が得られないこともあります。
逆に、自分にぴったり合うものを見つければ、毎日の歯磨きがグッと楽になり、口の中のトラブルも減っていきます。

選ぶときは、「自分の歯と歯茎の状態」「ケアの目的」「使いやすさ」の3つを意識してみてください。
迷ったら、歯科医院で相談してみるのもおすすめです。

あなたの歯磨きが、もっと気持ちよく、もっと効果的になりますように。

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毎日の歯磨きを実りあるものに
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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