歯科医が見て驚いた「歯ブラシの持ち方」の意外なNG例
2025/08/23
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歯科医が見て驚いた「歯ブラシの持ち方」の意外なNG例
毎日の歯磨き、当たり前のようにやっていることでも、意外と自己流になっていませんか。
歯科医院で診察をしていると「この方、磨き方が原因で歯や歯ぐきにダメージが出ているな」と感じる場面によく出会います。
なかでも見落とされがちなのが「歯ブラシの持ち方」です。
実は持ち方ひとつで、磨き残しや歯ぐきの炎症、さらには歯の摩耗にまでつながることがあるのです。
今回は、歯科医として実際に見てきた“意外なNG持ち方”を4つにまとめてご紹介します。
1. 握りしめるように“グー持ち”してしまう
歯ブラシをペンのように持つのではなく、グーで握りしめるようにして使っている人をよく見かけます。
力強く磨けるように感じるのかもしれませんが、これは大きな落とし穴です。
強い力でゴシゴシ磨いてしまうことで、歯ぐきが傷つき、歯の根元が削れて知覚過敏の原因になってしまうこともあります。
実際に「冷たい水がしみるようになった」と来院される方の多くは、この“グー持ち”が習慣になっているケースが少なくありません。
歯は意外とデリケートです。
鉛筆を持つように軽くペン持ち(ペングリップ)を意識すると、余分な力が入りにくくなり、歯や歯ぐきを守りながらしっかり磨き残しを落とすことができます。
2. 歯ブラシを“真っすぐ”しか当てない
「歯の表面に歯ブラシをピタッと当てて磨く」ことは間違いではありません。
ただ、これだけでは歯と歯ぐきの境目に磨き残しが残ってしまいます。
歯科医から見て「もう少し角度をつけたらきれいに落ちるのに」と思うことが本当に多いです。
つまり歯面に対して垂直にする必要があります。
歯も湾曲していますので少し傾ける必要があります。
そして歯周病の方は、毛先を歯と歯ぐきの境目に45度ほど傾ける「バス法」が効果的なことも。
境目に入り込んだプラーク(歯垢)をやさしくかき出すことができます。
*しかしこちらの方法をお勧めする方は歯周病の炎症が強い方です。
そしてこの「バス法」はしっかりとブラッシング指導が必要になります。
炎症がない人にはあまりお勧めしていませんので、気になる方は気軽にご相談ください。
真っすぐ当てるだけのクセがある人は、歯科医院で定期検診をすると「磨いているのに歯ぐきが腫れている」と言われることも少なくありません。
歯ブラシを少し傾ける、このひと工夫が歯ぐきの健康に大きく影響します。
3. 奥歯に届かない“短い持ち方”
歯ブラシを持つ位置が極端に前(ブラシに近い方)になっている方もよく見かけます。
一見するとコントロールしやすいのですが、実はこれが奥歯の磨き残しを招く原因になります。
歯ブラシを短く持つと可動域が小さくなり、奥歯の裏や親知らずの周囲まで届きにくくなってしまいます。
その結果、虫歯や歯周病が奥の歯から進行してしまうケースが多いのです。
少し柄の後ろの方を持つように意識するだけで、ブラシの可動域が広がり、奥歯まで自然に届くようになります。
特に親知らずを含む一番奥の歯は磨き残しが出やすいため、この持ち方の調整がとても大切です。
4. 利き手でしか磨かない“片手固定”
右利きならずっと右手、左利きなら左手だけで磨いていませんか。
片手固定だと、どうしても磨きやすい部分と磨きにくい部分に差が出ます。
例えば右利きの人は、左奥歯の裏側を磨くのが苦手になりがちです。
歯科医院で「ここだけ磨き残しがありますよ」と指摘することが多いのも、このパターンです。
利き手と逆の手で磨くのは最初はぎこちなく感じるかもしれませんが、慣れてくると両方の手で効率よく磨けるようになります。
歯ブラシの持ち方を工夫して、利き手の反対側でもコントロールできるようにしてみてください。
正しい持ち方の基本は「ペングリップ」
ここまでNG例を挙げてきましたが、基本に立ち返ると答えはシンプルです。
鉛筆を持つように軽く歯ブラシを握る「ペングリップ」が理想的です。
力が入りすぎず、細かい動きがしやすいため、歯と歯ぐきの境目や奥歯の裏側までしっかりコントロールできます。
さらに片手だけでなく、時々反対の手でも磨いてみると磨き残しがぐっと減ります。
まとめ
毎日の歯磨きは「正しい持ち方」を知るだけで、予防効果が大きく変わります。
•グー持ちは歯や歯ぐきを傷める
•真っすぐだけでは歯ぐきの境目が磨けない
•短い持ち方は奥歯に届かない
•片手固定は磨き残しの原因になる
どれも「やってはいけない」と分かっていても無意識で続けてしまいやすい習慣です。
もし心当たりがある場合は、今日の歯磨きから少し意識を変えてみてください。
歯は一生の財産。小さな工夫の積み重ねで、長く健康に守っていくことができます。
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磨き方、、、これだけで歯の寿命は変わります。
門井歯科医院でした〜
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