口の機能が弱るとは?その仕組みと対応例|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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口の機能が弱るとは?その仕組みと対応例

2023/10/28

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口の機能が弱るとは?その仕組みと対応例


まずはじめに


前のブログでは、「口座機能」の低下について症状を提示しました。

この項では、もう少し具体的に「お口が弱る」とはどういうことか、お口のなかのどういう機能が落ちていて、そしてどうすれば機能が回復するのか、書いていきます



本章では、弱ったお口に対してのトレーニング方法もご紹介していきます

ただし、ご紹介するのはあくまでも一部です。

実際にトレーニングを行う場合、歯科医師の先生とご相談して、メニューを組み立ててから実行します。


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症状と対応策

症状には、①口腔不潔、②口腔乾燥、③咬合力低下、④舌口唇運動機能低下、⑤低舌圧、⑥咀嚼機能低下、⑦嚥下機能低下などを挙げております。
以下症状とその説明、対応策について書いておりますので見て確認していきましょう。

まずは確認

①口腔不潔

キチンと歯が磨けていない。
うがいがしっかりできない。
上記のようなことが積み重なるとお口の中にプラークが溜まり不衛生になってきてしまいます。
これは、器具(歯ブランなど)を適切に使いこなせていない場合もあれば、なんらかの理由(病気の後遺症で身体が動かしにくくなったなど)により適切な動きができていない可能性があります。
おロがキレイかどうかは,舌の具合をみることでわかります。舌にどれくらい舌苔などがあるかなどそれを数値化することで、お口の衛生状態がわかります。
また、お口は本来、自然とキレイになろうとする力を持っています(自浄作用)。
お口が動くことで唾液がお口のなかを循環し、キレイにしているのです。
しかし、後に述べる唇、舌、類の力や巧みな動きが低下して唾液が出なくなると、お口のなかが不衛生になりやすくなります。

お口の状態が不衛生になっているとわかったら、どうすればいいのでしょうか?
そのままでいると,それまで大事にしていた歯が、一気にむし歯や歯周病におかされるかもしれません。
また,プラークや細菌を誤嚥すると肺炎になってしまうかもしれません。
対応策としては、基本的には日頃の歯磨きやうがいなどをしっかりやることが重要です。
定期的に歯科医院に通い、専門家に歯をきれいにしてもらったり、フッ素を塗ってもらうなどの予防処置をしてもらうとよいです。
さらに、口腔機能を高める訓練により口腔の自浄作用を高めていくことも大切です.

対応策
・適切な歯磨きの方法や道具の使い方を学ぶ
・歯科医院で専門的なケアを受ける
・口腔機能をアップする訓練法を教えてもらう



②口腔乾燥

健康なヒトのお口のなかは、いつも唾液によって湿っています。
この唾液の働きによって、お口のなかの細菌を退治したりして、きれいな状態を保っています。
こうした睡液が出ないのは病気の影響の可能性もありますし、お薬の影響も考えられます。
お薬の約80%の副作用に口腔乾燥があるとされています。
あるいは、年を取ることにより唾液の出る量が少なくなっているのかもしれません。
唾液はお口のなかを清潔に保つほか、噛んだ食べものと混ざることで,おロのなかの食べものを飲み込みやすくする機能もあります。
つまり、唾液が出なくなると食べものを飲み込むことも難しくなることがあるのです。
唾液の量は、
①舌に専用の翌具を当ててその濡れ具合を確かめる
②舌の下にガーゼを置いてどれくらい濡れるか確かめる
という方法があります。

唾液の分泌の減少は病気の影響かもしれませんし、服用しているお薬の影響かもしれません。
まずは,そうした点を確認し,内科の先生などに相談したりします。
その橋渡しは歯科医院の先生がしてくれます。
それでもまだ唾液が出にくいという場合、唾液を出す 器官(唾液腺)をマッサージすることで、唾液をより多く出すという方法があります。

対応策
・まずは病気や薬の影響を考え,内科の先生に相談する
・唾液腺マッサージを行う



③咬合力低下

「噛みくだく力」のもとはどこにあるのでしょうか?
食べものを噛むときには、下の顎が動き、下の顎にある歯が上の歯とぶつかることで、食べものを噛み切ったり、すりつぶしたりします。
下の顎の歯と上の顎の歯が揃っていることで、はじめて「噛む」という基本が成り立ちます。
さらに、その歯に乗る食べものを噛みくだくためには,下の顎を動かす筋肉が、力強く動かなければなりません。
つまり
「上の歯と下の歯が揃っている」
「下の顎を動かす筋肉に力がある」
ということが、「噛みくだく力」につながるのです。
この噛みくだく力は、単純に何本歯が残っているかでも、おおよそ確かめることができます。
あるいは専用のフィルムを噛みそこに残った跡を機械で読み込むことで数字化することができます。

では、「噛みくだく力」を取り戻すには、どうすれば良いのでしょうか?
まず,上下の歯が揃っていない場合は,しっかりした入れ歯をつくることで噛みあわせを取り戻すことができます。
歯が残っていても痛くて噛めないという場合も、歯科医院で治療することで再び噛めるようにできます。


対応策
・適切な歯科治療で噛める歯を取り戻す


④舌口唇運動機能低下

食べものをお口にいれたとき,こぼれないよう、たくみに唇を閉じます。
また、お口のなかで食べものを噛んでいるときも舌や頬をうまく使って食べものを上の歯と下の歯の間に動かしたり、片方の歯から片方の歯に移動させたりしています。
こうして、食べものを噛み続けることができるのです。
唇や舌の細かい動きの能力は,「パ」や「タ」といった音を連続して声で出せるかで判断ができます。
いわゆる滑害です。
こうした音は唇を開けたり閉じたり、舌を細かく動かしたりという動作をするからです。

上手に噛むためには唇や舌、頬が単に力強く動くだけでは事足りません。
いかに巧みに動くかが重要です。
そこで,その細かい動きは鍛えることができます。
こうした訓練を行うには、どの部位の動きが落ちているのか。
そしてどのような機能を鎩えるのか、まずはそれを知る必要があります。
滑舌の検査をもとに、なにをすべきなのか歯科医院の先生と探してみてください。

対応策
・舌や唇,頬の巧みな動きを鍛える


⑤低舌圧

これまで、食べものをうまくお口のなかで動かすことでよく噛めるようにする、という舌の働きを紹介しました。
舌にはまだ役割があります。
おロのなかの食べものを噛んで、唾液と混ぜ合わせることで食塊を形成します。
その後、飲み込むタイミングになったとき、舌の力(舌圧)によって食塊をのどに送り込みます。
そのとき、舌圧が弱いと、強い力で飲み込めなかったり、口のなかに食べものが残ってしまいます。
舌の力を調べるには、風船のように膨らむ機器を口のなかに入れ、膨らんできたものに対して舌がどれだけ抵抗できるかで測ります。

舌の力強さを取り戻すには、舌の「筋トレ」が有効です。
舌にスプーンや専用の器具を当てて押し付けると同時に、舌はそれに逆らうように動かします。
これをいろいろな形で行うことで、舌のいろいろな部位をえることができます。
こうしたトレーニングは誤った形で行うと舌に傷をつけたり、怪我をさせてしまうことがあります。
歯科医院の先生と一緒に、適切な方法や回数を探してみてください。

対応策
・舌の筋力を鍛える



⑥咀嚼機能低下

「噛みくだく力」に似ていますが、舌や類、顎が巧みに動いて噛み続けられるか、色々な性状の食べもの(固かったり、軟らかかったり、パサッとしていたり、ドロッとしていたり)を食べられるか、右の歯と左の歯両方を使って食べられるか、そうした点にかかわります。
そうした咀嚼能力を測るには、少し硬めのグミを噛み続け、どれだけ噛みくだけるかを確認します。
噛んでもらったグミを一度口から出し、どれだけ細かくなっているかを確認するという方法もあります。

咀嚼能力はさまざまな機能が組み合わさっているため、トレーニングも一つの部位を鍛えれば良いというわけにはいきません。
そのなかでも比較的効果のある方法として、噛み切るのが難しい食べもの(さきいかなど)をお口にいれ,左右に動かす訓練をします。
いわばお口のなかでとりまわす訓練です。

対応策
・舌の動きや噛む力を鍛える



⑦嚥下機能低下

嚥下とは、いわゆる「ごっくん」のことで、のどの入ってきた食べもの(食境)を、気道に入れることなく適切に食道に送り込む動作のことです。
この機能に問題があると、ムセが生じたり、時に気道に食べものが入り込んでしまい、肺炎(誤嚥性肺炎)や窒息につながることがあります。
脳血管疾患の後遺症などにより、嚥下機能が極端に悪くなってしまっている場合は、専門の医療職種によるリハビリテーションの対象となります。
間違って飲み込んだ食べものがのどに詰まったり、肺炎を引き起こしたりする場合があるので、しっかりと鑑えておく必要があります。
そこまで大変な状況ではないが、時々ムセたり、うまく飲み込めなかったりすることがある場合、そうした状況を調べるアンケートがあります。
このアンケートに回答するなかで、飲み込みの状況をある程度知ることができます。

飲み込みの状況が極端に悪い場合、ときに命を脅かす事態になるため、専門の医療者による介入が必要になります。
一方、日常的に飲み込みが悪いという状態ではのど周囲の筋肉を鍛えることにより、適切な飲み込みに導くことができます。
歯科医院ではアンケートにより飲み込みの状況を確かめることができますが、場合によっては病院での精密検査となることもあります。
まずは、歯科医院にご相談をしてみてください

対応策
・のどの周りの筋力を鍛える

さあ〜歯科医院で検査をしてみましょう!!



ここまでご紹介してきたお口の機能は、歯科医院で検査をすることにより、客観的な数字に置き換えることができます。
いわゆる、検査値です。
この検査値がある数字より下がったりすると、「口腔機能低下症」として治療を受けることができます。
適切な歯科治療やトレーニングによって再び噛む力や飲み込む力を取り戻し、さまざまな食べものを美味しく食べられる生活を取り戻せます。

口腔機能の低下をそのままにしておくと....


ところで、口腔機能が落ちたまま、このまま噛めない、飲み込めない...という状態が続くとどうなってしまうのでしょうか。
なにより食べることが楽しくないと外出も楽しくなくなって人との交流も少なくなり、さらに外出しなくなってしまいます。
加えて,食事ができないと栄養が十分に摂れずに,身体が弱ります。
筋肉が減っていきます。
筋肉が落ちて日常的な動作が苦手になったり、歩いたり、階段を上ったりするのが辛くなると、外出することもさらに減ってしまいます。

そうつまり「お口が弱って食事ができない」というのは「全身が弱って日常的な活動ができない」いうことにつながるのです。
このブログを読んているあなたの周りの人、ご家族やお友達にもここまで出べてきたような「お口が弱る」きざしがある人がいるかもしれません。
もし何かに気づくようなことがあれば、ぜひ、門井歯科医院へ足を運んでください。


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毎日美味しくお食事を
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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