歯や歯茎、メインテナンスに関して|福山市御幸町の歯医者「門井歯科医院」

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歯や歯茎、メインテナンスに関して

2023/12/13

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歯周病に関すること

今回は歯周病に関すること

1 歯茎が下がる(歯肉退縮)
2 うがい薬(洗口剤)
3 歯のメインテナンス

に関して説明いたします。

歯肉退縮(歯茎が下がる)


歯肉退縮とは簡単に言うと歯茎が下がることです。
「身体は痩せないのに、歯ぐきはなぜ痩せるのか?」
「身体は簡単に太るのに、歯ぐきはなぜ太らないのか?」
歯肉退縮については患者さんも関心があるようです。
歯周ポケットと違って、歯肉退縮は鏡を見れば患者さんでも確認できます。
良くなった時でも悪くなった時でも確認できます。
では、そもそもどうして歯肉退縮が起こるのでしょうか。
歯肉退縮には2種類あります。
そしてそれぞれで発症メカニズムが異なります。
1つ目は歯周病の進行にともなうもので、炎症性歯肉退縮と呼ばれます。
歯周病によって歯茎の付着や歯を支えている骨を失い、それにともなって歯肉が下がります。
好発部位は歯間部(歯と歯の間)で、歯間乳頭(歯と歯の間にある歯茎)が下がって歯と歯の間に隙間ができます。
もう1つは、バランスの悪い組織に過剰なブラッシング圧などが加わることによって起こるもので、非炎症性歯肉退縮と呼びます。
弱い組織に外傷がはたらいて起こるので、細菌による炎症はありません(外傷による炎症はあります)。
そのため非感染性歯肉退縮ということもあり、唇や頬側の歯の中央部分によく見られます。

発症メカニズムが異なると対処法が変わってきます。
炎症性歯肉退縮の場合は、元をただせば細菌が原因ということになるので、ブラッシング指導は「歯磨きが足りない」ことに重きをおきます。
つまりアンダー・ブラッシングに対する指導が中心となります。
それに対して非炎症性歯肉退縮の場合は、ブラッシング圧が強くかかりすぎて「磨きすぎ」になっていることが一因なので、オーバー・ブラッシングになってないかをチェックしなければいけません。

歯茎が下がるのは歯周病によるものだと決めつけてしまうのはよくありません。
炎症性か非炎症性に分けることによって、その予防から治療までをきちんと把握することが大切です。



うがい薬(洗口剤)



歯周病の治療の一部として洗口剤を取り入れる場合、その中には抗菌剤で細菌をコントロールしましょうという意図があります。

ただ残念なことに、プラークや細菌バイオフィルムを破壊できるような抗菌剤はまだ開発されてはいません。

やはりプラークのような細菌バイオフィルムがいったん形成されるとブラッシングという機械的除去がもっとも有効なのです。

やはり洗口剤は「ブラッシングの代わりにはならないが、ブラッシングの効果を長持ちさせる可能性がある」と認識しておくべきです。



結論
うがい薬(洗口剤)はブラッシングの代わりにはならないが、ブラッシングの効果を長持ちさせる可能性がある。


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メインテナンスの論文

ここではメインテナンスの重要性について論文の結果をもとに説明します。

メンテナンスは重要?


歯のメインテナンスに関する3つの論文をまとめ、結果を皆さんにお伝えしたいと思います。


①〜③の患者さんのデータを元にしております。

①診断だけして歯周治療をしなかった患者さん
② 歯周病の治療はしたものの、メインテナンスをしなかった患者さん
③ 歯周動的治療もメインテナンスもすべて行った患者さん


①は10年間で平均3.6本の歯を失う
②は10年間で平均2.2本の歯を失う
③は10年間で平均1.1本の歯を失う


何もしなければ10年間で3.6本。
歯周病の治療だけすれば2.2本。
メインテナンスまですれば1.1本。
上記の数値は、しっかりメインテナンスをされている患者さんにとって励みになると思います。
決してこの数値はメインテナンスや治療をされない患者さんに「歯を3倍以上失います」という脅しではありません。

結果だけを鵜呑みにしない



他のデータを見ても、歯周治療を受けていないと、きっちりメインテナンスを受けている場合と比べて3倍以上歯を失っています。
ただ、みなさん。
このようなデータには「魔法」がかかっていることを忘れてはいけません。

たとえば、メインテナンス患者さんのデータ
詳細を見てみると、「あること」に気づく方もおられるのでは、、、

それはメインテナンス中に歯を失っているのは約1割だけで、残りの9割の方は1本も歯を失っていません。
失った歯の数の合計を元々の人数で割ると、10年間で0.22本の歯の喪失となりますが、失った方で失った歯の本数を割れば2.1本と10倍になってしまうのです。
これが1つ目の魔法です。


つまりメインテナンス中に歯を失うのは一部の患者さんだけということです。


また、歯の喪失数に関するデータは治療時の抜歯基準が大きく影響することも関係しています。
歯周病の治療時に「残すのは難しい歯」をどんどん抜歯すれば、メインテナンス中の抜歯が減ります。
しかし「残すのは難しい歯」でも患者さんの希望を取り入れて保存すれば、メインテナンス中にやむなく抜歯することが増えます。

このようにデータや論文は結果だけ見たら良いわけではなく、「どのような人が対象になったのか」「どのような過程か」など中を見てみないと当てはまらないこともあるのです。
皆さんエビデンスという言葉だけに惑わされないように。


しかし、歯のメインテナンスはかなり重要なことは確かです。
歯のメインテナンスは未来の投資です。
歯は失ってからじゃないと後悔しない人が多いです。
失ってからでは遅いのです。
失っても今の医学では元に戻ることは決してなく、何かに置き換える、つまり置換作業しかできないのが今の医学です。

今は予防の意識を持つ方が増えてきました。
自分の歯をいつまでも維持して、歯のある喜びを実感して下さい。


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あなたの歯の健康のお手伝いを
門井歯科医院でした〜

この記事の著作者

グループ 1

医師 門井 一眞

2016年 九州歯科大学卒業
2016年 九州歯科大学附属病院 口腔内科 所属
2017年 茨城県某医療法人 勤務
2021年 門井歯科医勤務
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